まとめ

アパレル系オウンドメディア4事例に見るトレンドは、アプリ活用!

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アパレル系オウンドメディア4事例のトレンドは「アプリの活用」

オウンドメディアの活用が進む業界のひとつといえば、ファッション・アパレル系。特に店舗やECサイトなどのオムニチャネル戦略を進めているアパレル系企業の中には、オウンドメディアをうまく活用しているところも。売上アップ・会員数アップなど効果を上げているアパレル系オウンドメディア事例が増えています。

その一方でアパレル系メディアといえば、多くのキュレーションメディアが立ち上がっており、競争が激化している状況でもあります。そこで、百貨店やアパレルECなど総合アパレル系オウンドメディアにフォーカスして、代表的な4事例をピックアップ。どのようにアパレル系オウンドメディアを企業が活用しているか、検証しました!

オウンドメディアなのに自社の情報は全体の1割以下?三越伊勢丹のオウンドメディア事例「FASHION HEADLINE」の戦略とは

アパレル系オウンドメディアで最も知名度が高いものといえば、おそらく「FASHION HEADLINE」ではないでしょうか。実はこのオウンドメディアを運営しているのは、三越伊勢丹ホールディングスが95%出資するファッションヘッドライン社。つまり「FASHION HEADLINE」は三越伊勢丹グループのオウンドメディアという立ち位置で運営されています。

ところがこのオウンドメディアでは、自社である三越伊勢丹グループに関する記事が全体の10%以下と非常に少ないのが特徴。一般的にオウンドメディアといえば自社の商材を扱うことが多い中、あえてファッション系ニュースサイトとしての情報量とクオリティを優先しています。

そのおかげで他社ブランドからの広告出稿もあり、いわゆるオウンドメディアというよりはメディアサイトに近いスタイルになっています。ただし三越伊勢丹グループでは、このオウンドメディアを成長させて自社が無料で情報発信できるプラットフォームにしたい、という中長期的な狙いがあるそうです。

同名のアプリも提供しており、オウンドメディアの記事がアプリでも読むことができます。

FASHION HEADLINE(https://www.fashion-headline.com/)

オウンドメディアで店舗への来店を促進!O2O戦略を狙うオウンドメディア事例「ISETAN MEN’S net」

三越伊勢丹グループの中には先ほど紹介したもの以外にもさまざまなオウンドメディアを展開しています。特にO2O(Online to Offline)施策のオウンドメディア活用事例として注目されているのが、伊勢丹メンズ館の公式オウンドメディアである「ISETAN MEN’S net」。

同じ三越伊勢丹グループでも、先ほど紹介した「FASHION HEADLINE」はニュース記事がメインで自社が扱う商材の情報は少なく、オンラインストアなどへの導線もあまり見られません。一方、「ISETAN MEN’S net」では大きく方針が異なり、オウンドメディアを通じて伊勢丹メンズ館が扱うブランドの紹介や店舗でのイベント情報、店舗スタッフによるQ&Aなど店舗(リアル・ECともに)との連動性が高いのが特徴です。

O2O施策ではアプリも活用。アプリではオウンドメディアのコンテンツが見られるほか、位置情報を使ったプッシュ通知も実施。伊勢丹メンズ館へ来店したユーザーにふさわしい情報を発信するという工夫をしています。その一方でアパレル系アプリにありがちなクーポンの配信は実施していません。「ブランドを重視しつつ、ロイヤルカスタマーを育成する」というオウンドメディアの方向性を明確にしている点も、成功につながった大きなポイントと言えそうです。

ISETAN MEN’S net(https://www.imn.jp/)

海外ファッション通販サイト「BUYMA」はオウンドメディアで新規会員数アップに成功

海外ファッション通販サイトとして急成長している「BUYMA」を手掛けるエニグモでは、2015年にオウンドメディア「スタイルハウス(STYLE HAUS)」を開設しました。

一見するといわゆるファッション系キュレーションメディアと似ているように見えますが、特に海外にフォーカスしてファッションやライフスタイルに関する情報が多いのがこのオウンドメディアの特徴。そもそも「BUYMA」は、海外に住む個人バイヤーが出品した商品をユーザーが購入するというCtoCタイプの通販サイト。そこで海外在住のバイヤーにコンテンツも提供してもらうというスタイルをとっています。(他のライターによる記事もあります)このためBUYMAとの親和性も高く、オウンドメディアからECサイトにシームレスに連動できています。

実際にオウンドメディアによって、BUYMAの新規会員数が伸びていることがわかっています。運営元であるエニグモ社の2018年1月期(上期)決算発表の資料によると、スタイルハウスなどのオウンドメディア経由で新規会員登録した数は、前年同期比で177%。つまり1.5倍以上に伸びていることがわかります。SEOに次ぐ新たな集客方法として、今後もオウンドメディアの活用が進むと考えらえます。

こういったビジネスモデルにてモバイルアプリを制作する場合、通販サイトとオウンドメディアサイトを組み合わせて1つのアプリを作るのが一般的です。ところがエニグモでは、BUYMAのアプリとは別にオウンドメディア「スタイルライフ」単体でもアプリを提供しています。

オウンドメディアのアプリを見ると、コンテンツで紹介している商品を購入できる機能があり、連動を強く意識しているようです。さきほどの新規会員登録数の伸びを見てもわかる通り、オウンドメディアが入り口となってBUYMAの会員登録・利用につながるという流れを重視していることがよくわかります。

スタイルハウス(STYLE HAUS)(https://stylehaus.jp/)

バーニーズニューヨークでは公式サイトをオウンドメディア化しオンラインストアと連動

東京のほか神戸や福岡など国内に6店舗を構えるバーニーズニューヨークでは、公式サイトにニュースやインタビュー、ブログなどのコンテンツを掲載。オウンドメディアとしての機能を持たせています。このオウンドメディアとしての目的は、ロイヤルカスタマーの育成もありますがやはりオムニチャネルにつなげたいという狙いがあるようです。

オウンドメディアでは店舗イベント情報や新商品情報のほかスタッフによるブログなど、店舗への来店につなげるコンテンツが充実しています。その一方で公式オンラインストアへの導線も設けられています。

またバーニーズニューヨーク公式アプリでもオウンドメディアのコンテンツを活用。アプリでは「FEED」というカテゴリで、コンテンツを見ることができるようになっています。さらに会員機能やオンラインストア機能も搭載。とはいえマイページやオンラインストアだけでは、なかなかアプリのアクティブな利用にはつながりにくいもの。そこで頻繁に更新されるオウンドメディアのコンテンツを使ってユーザーのアクティブ率アップにつなげていると考えられます。

なお、アメリカのバーニーズニューヨークのアプリは、位置情報を使って来店時にコンテンツを配信するという機能も搭載。こうした施策は今後日本にも導入されるかもしれません。

バーニーズニューヨーク公式サイト(https://www.barneys.co.jp/)

まとめ

同じアパレル系でもオウンドメディアでも「自社の情報発信につなげたい」「O2O施策として店舗来店につなげたい」というように、企業によって目的はそれぞれ違いがあります。

アパレル・ファッション系オウンドメディアというと商品紹介がメインと思いがちですが、実際に4事例を見るとコンテンツの幅が広いことがうかがえます。つまりそこまでコンテンツを充実させなければユーザーに見てもらえない時代、とも言えるかもしれません。各社ともコンテンツの量・質にはそれぞれこだわりも見られ、編集方針によって他社と差別化を図ろうという姿勢がうかがえます。

そんな中アパレル系オウンドメディアがそろって力を入れているのが、モバイルアプリ。ユーザーがPCよりもモバイルを使う機会が多いという背景もありますが、モバイルアプリならプッシュ通知や位置情報などの機能を利用して、オンラインストアや店舗と連動しやすいということも影響していると思われます。

今後アパレル系オウンドメディアを検討していくときには、Webサイトの構築とあわせてモバイルアプリの開発についても検討する必要がありそうです。