CASE - 事例紹介
オウンドメディアのSNS活用事例(Twitter編)
2017.07.21
戦略をもってオウンドメディアを運営すれば、見込客は自然に集まります。
大切なのは、正しいポジションの確立、そして最適なコンテンツの配信です。
CASE - 事例紹介
新卒採用・中途採用の新たなプロモーションツールとして注目されているのが、採用系オウンドメディア。従来の採用系サイトといえば、リクナビやDODAなどのポータルサイトが中心でした。自社のコーポレートサイトにおいても、採用期間中のみ募集要項や先輩の声などのコンテンツを掲載するというスタイルが一般的ですよね。
ところが最近では、自社で新しく採用に特化したオウンドメディアを立ち上げる事例が増えています。採用関連のコンテンツを高い頻度で更新して、学生や転職希望者とのリレーションシップを強化する事例も出てきています。
もはや少子化などの理由で、人材確保は難しくなってきている時代。ユーザーは従来のいわゆる採用情報だけではなく、もっとリアルで具体的な情報を求めています。仕事内容だけではなく「どういった人物が多い職場か?」「働きやすい環境か?」が伝わるコンテンツの必要性が高まっています。
そこで代表的な採用系オウンドメディア4事例をもとに、採用活動でオウンドメディアを活用するメリットをまとめました!
目次
メルカン http://mercan.mercari.com/
採用系オウンドメディアとして今話題になっているのが「メルカン」。実はフリマアプリで急成長を続けるメルカリが手掛ける採用系オウンドメディア。2016年5月から運営されています。
「メルカリの情報はいつもここに」というキャッチコピーの通り、メルカンでは社内の様子がわかるコンテンツがほぼ毎日追加されています。メルカンほど情報量の多い採用系オウンドメディアは、まだ日本にはほとんどありません。
特に多いコンテンツが、人事制度などに関するニュース。メルカリのようなITベンチャーは特に人材確保のため、常に新しい人事制度を取り入れていて、そのスピードも速くなっています。オウンドメディアであれば、こうした情報をすぐに伝えることができる点は大きなメリット。実際にメルカンでは、成果給や介護、妊活に関する取り組みなどのコンテンツが多く掲載されています。
あわせてメルカンのコンテンツに多いのが、社内で立ち上げたプロジェクトやイベントに関するコンテンツ。社内の雰囲気やマインドが読者に具体的に伝わりやすいメリットがあります。
メルカンは採用系オウンドメディアとして採用数を増やすというよりは、より価値観の近い人材との接点を増やすことがミッションになっているようです。いわばメルカリのブランディングツールとしての役割も担っています。実際にメルカリに入社する人は、ほぼ100%メルカンのことを認知しているそうです!
採用系オウンドメディアで、ここまで豊富な情報が載っているところはなかなかありません。メルカリの勢いをそのままメディアにしたような、採用系オウンドメディア。共感する人も多いのではないでしょうか。
Wantedly Blog https://www.wantedly.com/feed/s/wantedly_blog
こちらもメルカリと同様、ビジネスSNSとして今急速にシェアが拡大している「Wantedly」。Wantedlyの採用関連コンテンツを集めたオウンドメディアが「Wantedly Blog」です。
Wantedly Blogは、社員へのインタビューなど人物にフォーカスしたコンテンツが多い点が大きな特徴。
一般的な採用系コンテンツといえば「現在どんな仕事をしているか」「今の仕事のやりがいは何か」という内容が主流です。ところがWantedly blogでは、Wantedlyに入社する前はどんなことをしていたか、どういう経緯で転職をしたかなど、社員の経歴や詳しいプロフィールついて多く語られています。
具体的な人物のバックグラウンドが見えてくることで、単なる採用広告との差別化につながっています。実際に記事を読むと、インタビューコンテンツとして、十分に読みごたえあり。オウンドメディアである以上、やはりコンテンツのクオリティは重要ですよね。Wantedly blogの多くのコンテンツは社内で制作されていると思われますが、記事としてのクオリティが高いものになっています。
メルカンと同様に、イベント関連のコンテンツも豊富です。特に内定者向けハッカソンやインターンの様子など、従来はオープンになりにくい採用関連のイベントも積極的に公開。より広くリーチしたいという姿勢がうかがえます。
carraria http://www.carraria.jp/
リクナビなどのメディア運営や人材紹介サービスを行うリクルートキャリア社が、2014年から運営している採用系オウンドメディアが「carraria」(カラリア)です。「Wantedly Blog」と同様、自社社員へのインタビュー記事と、イベントに関するコンテンツがメインとなっています。
リクルートキャリア自体の採用につなげるだけではなく、就職・転職検討者を広くカバーして人材紹介にもつなげたい、という狙いがあるようです。そのためリクルートキャリア社の採用情報や応募リンクは、ほとんど画面上に表示されていません。Wantedly Blogが自社の採用情報に直結しているのとは対照的です。
ただし自社の採用に限定していないため、ややコンセプトが読者にわかりづらい(誰に向けたコンテンツなのかはっきりしない)という課題も。
また、2015年から2016年にかけては頻繁に更新されていたものの、その後は急激にペースダウン。2017年8月~2018年1月の間は、全く新しい記事が追加されていません。(2018年2月に記事が唐突にアップされています)
リクルートキャリアとしても、この採用系オウンドメディアを今後どうするべきか模索中なのではないでしょうか。
未来を変えるプロジェクト https://mirai.doda.jp/
DODAなどの転職サイト運営や人材紹介サービスを手掛けるパーソルキャリア。(インテリジェンスから社名が変更になりました)こちらが運営する採用系オウンドメディアが「未来を変えるプロジェクト」。このオウンドメディアでは、自社の社員インタビューはほとんどありません。一般的なビジネスのハウツー情報や、働き方に関するコンテンツがメイン。インタビューもありますが登場するのは他社の方がほとんどです。
事業としては「carraria」を運営しているリクルートキャリアとほぼ同じなのですが、「未来を変えるプロジェクト」のコンセプトは明確。働き方や仕事に関する幅広いテーマを扱うことでまだリーチできていない新規ユーザーの開拓が目的のようです。
そのためDODAへの登録ボタンにつなげるというよりは、まずは「未来を変えるプロジェクト」の無料会員に登録させるという動線になっています。(無料会員になるとコメントの投稿ができたり、イベントへの参加申し込みができます)
転職の意欲がまだ高くない、潜在的なユーザーの取り込みを目指したオウンドメディア事例と言えます。
どうしても採用系オウンドメディアというと、自社の採用情報へ直接誘導しがちです。ただあえてその前段階を設けるという「未来を変えるプロジェクト」の手法は、参考になる方も多いのではないでしょうか。
4つの事例を見ると、自社の採用につなげたいという「メルカン」「Wantedly Blog」と、人材紹介につなげたい「carraria」「未来を変えるプロジェクト」という大きく2つのパターンに分かれます。ただしどちらも基本は「人」にフォーカスしたコンテンツに重点が置かれています。
4つの事例を見ると、採用系オウンドメディアならではの課題もあることがわかります。ひとつは制作体制。メルカンやWantedly Blogを見ると、ほぼ社内でコンテンツを制作している様子が見えてきます。社内で発信するからこそリアルな情報が出せるというメリットもありますが、予算の都合も考えられます。
社内で制作するうえで欠かせないのが各部署の協力。社員インタビューに搭乗してもらうことを考えるとあらゆる部署との連携が必要。こうした体制が組めるかどうかが成功のカギと言えそうです。
また採用系オウンドメディアからすぐにユーザーが採用へ応募するとは限りません。つまり効果測定しづらいというのも課題の一つ。「未来を変えるプロジェクト」のようにオウンドメディアの会員組織を作り、まずはそこに登録してもらうという方法もあります。
「求める人材がなかなか来てくれない」「従来の採用広告ではコストがかかりすぎる」という場合は、4つの事例を参考に採用系オウンドメディアの立ち上げも検討してみてはいかがでしょうか?
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