まとめ

日産やトヨタ、自動車系オウンドメディア事例の意外な戦略

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日産やトヨタの自動車系オウンドメディア事例に見る意外な戦略とは?

自動運転やEVなどの技術で話題を集める自動車業界。国内大手自動車メーカーのトヨタや日産のほか、ベンツなどの海外の自動車メーカーもオウンドメディアの活用を進めています。

自動車は高額なため、金融商品や不動産と同じように顧客が購入を決めるまでじっくり時間をかけて検討します。そのため検討中のユーザーへ情報を継続して発信できるオウンドメディアが適しているとも言えます。

でも実は自動車メーカー系オウンドメディアは他の業界とやや戦略が異なり、見込み客の獲得というよりは、既存オーナーとのつながりを持つためにオウンドメディアを運営するケースが多いようです。

そこで今回は代表的な国内自動車メーカーであるトヨタと日産のほか、ブランディングに力を入れるメルセデスベンツ、レクサスといった自動車メーカー系オウンドメディア4事例をまとめました!

サテライトサイトを複数立ち上げるトヨタのオウンドメディア戦略

日本を代表する自動車メーカーの一つトヨタ自動車は、複数のオウンドメディアを運営しています。主なオウンドメディアを3つピックアップします。

1.1998年にスタート、トヨタのオウンドメディアの先駆け「GAZOO」

トヨタ自動車のメインとなるオウンドメディアが「GAZOO」です。実は1998年から運営されている歴史あるサイト。(トヨタではIT系サービスの多くにGAZOOブランドの名前を付けています)

スタート当時と現在はサイトの構成は大きく異なっていて、当初はオーナー向けの会員制サイトでした。現在では他社の情報も掲載しており、自動車情報の総合サイトというスタイルです。運転に関するハウツー情報やトヨタ車を持つ方のブログなど幅広いコンテンツを設けています。

メインターゲットはやはりトヨタをはじめ、自動車に関心の高いユーザー層。すでにトヨタ車を所有している方に新車や新技術の情報も多くなっています。

2.自動車関連のライフスタイルコンテンツを扱うオウンドメディア「トヨタColors.」

トヨタColors.」はファミリー向けに、車で出かけるときのレジャー情報などを掲載。よりライトなユーザーに向けたコンテンツになっています。ただオリジナルの情報はそれほど多くなく、トヨタ車を所有する方向けの付加価値サービスという位置づけに近いかもしれません。

3.ペットユーザーに特化したオウンドメディア「トヨタペットサークル」

トヨタでは以前の記事「BtoC企業がオウンドメディアを運用するメリットとは?中小企業に効果あり!」でも紹介した、ペット情報のオウンドメディア「トヨタペットサークル」も立ち上げています。サテライトサイトで幅広いユーザー層へリーチしようとする戦略のひとつと言えます。

テーマごとに上記のようなサテライト型オウンドメディアを設けているトヨタ。元々会員制サイトからスタートした経緯もあり、すでにトヨタのクルマを持っている方がメインターゲットと言えます

SEOを駆使して外部ユーザーを取り込みたい、というよりは引き続きトヨタのファンでいてもらいたい、買い替えるならトヨタ車にしてほしいという「顧客ユーザ―との接点保持」という目的が強いようです。

オウンドメディアよりもソーシャルメディアに主軸を置く日産の戦略

トヨタが複数のオウンドメディアを展開している一方で、コミュニケーションの主軸をソーシャルメディアにしているのが日産自動車です。実は日産は早くからメールマガジンの活用などデジタルマーケティングに力を入れている企業のひとつです。

最近もデジタルマーケティング業務を統合した専門部署を設けたり、Adobeのマーケティングプラットフォームを採用したりという取り組みがニュースになっています。

公式サイトにおいても、「日産ソーシャルメディアプロジェクト」というコンテンツがあります。ただしメインはFacebook・Twitter・Instagramへのリンク。特集コンテンツもいくつか掲載されているものの、いずれも過去のアーカイブのような扱いとなっています。

一方ですでに日産のクルマを所有している方向けには、オウンドメディア「NISSAN OWNERS MAGAZINE」で情報発信をしています。既存ユーザー向けにオウンドメディアを活用している点はトヨタと共通しています。

メルセデスベンツはブランディングにつながるオウンドメディアを運営

トヨタ、日産といった国内自動車メーカーだけではなく、海外系メーカーもオウンドメディアを展開している自動車メーカーもあります。代表的なのがメルセデスベンツ。

メルセデスベンツでは、もともと「mb!」というメディアにて自動車情報に限らずカルチャーやスポーツなど幅広いコンテンツを扱っていました。その後2014年にリニューアルを行い、現在ある「Mercedes-Benz LIVE!」というブランド名でオウンドメディアを運営しています。

リニューアル前はクルマ以外のカルチャーなどの情報も多くあり、ややコンテンツが散漫になっている印象もありました。現在の「Mercedes-Benz LIVE!」では、よりメルセデスベンツのファン向けの情報が増えているようです。自社の自動車に関する最新情報のほか、メルセデスベンツを所有するスポーツ選手や著名人のインタビューなどのコンテンツも多く掲載されています。

オウンドメディアのデザインクオリティや画像の品質も高く、オウンドメディアの目的がブランディングにシフトしていることがうかがえます。

新車発表会のLIVE中継やイベントレポーターの募集なども実施しており、オウンドメディアを、ファンとのコミュニケーションプラットフォームとして位置づけているようです。

幅広いライフスタイルコンテンツを発信するレクサスのオウンドメディア戦略

メルセデスベンツとやや近い戦略をとっているのが、レクサス。やはり購入者の属性が近いということが似ている理由かもしれません。レクサスでは、2017年5月にライフスタイルコンテンツを扱うオウンドメディア「VISONALY」を立ち上げたばかりです。

レクサスのオウンドメディアも、新車などの情報をメインにしつつ自社のクルマとはあまり関連性のないファッションやスポーツなどの情報のボリュームが多い構成になっています。レクサス公式サイトからは「MAGAZINE」というリンクが貼られており、ユーザー向けのWebマガジンという位置づけであることがわかります。

レクサスではデザインアワードやショートフィルム制作プロジェクト(※終了済み)を行うなど、アートやクリエイティブな分野での取り組みも行っています。つまりこの世界観・ブランディングがオウンドメディアにも生かされています。

さらにラジオ局J-waveや他のメディアからのコンテンツ提供も受けているのが大きな特徴です。レクサスのユーザーとのつながりを持ちつつ、ブランドイメージを広く発信したいという戦略がうかがえます。

ただしレクサスのオウンドメディアはまだローンチされてから時間がたっていません。今後もしかしたらコンテンツの再構築があるかもしれません。

まとめ

BtoCオウンドメディアではブランディングを目的に立ち上げるケースは多いのですが、特に自動車メーカー各社の戦略を見ると、従来の顧客とのコミュニケーションを重視する傾向が見られます。

その中でもブランディングに特化したメルセデスベンツやレクサス、サテライトサイトで多方向に展開するトヨタ、ソーシャルメディアにシフトする日産というように自動車メーカーによって戦略が異なるのは興味深いところです。それぞれの今後の展開にも注目です!