CASE - 事例紹介
オウンドメディアのSNS活用事例(Twitter編)
2017.07.21
戦略をもってオウンドメディアを運営すれば、見込客は自然に集まります。
大切なのは、正しいポジションの確立、そして最適なコンテンツの配信です。
CASE - 事例紹介
2020年東京オリンピック開催に向けてますます活気づく旅行・観光業界。プロモーション施策として、オウンドメディアに取り組む事例も増えています。
旅行の予約や申込みは今ではネット経由で行う人がほとんど。2016年に行われた調査では旅行申し込みの約8割がインターネット経由という結果もあります!(※)。
つまり旅行系オウンドメディアは、ECサイトと同じくコンバージョンまでつなげやすいという大きなメリットがあります。そこで今回は旅行系オウンドメディアの事例として、HISや星野リゾートといった有名どころのほか、ニッチな旅行ジャンルで急成長するベンチャー企業のオウンドメディアもまとめました!
※参考情報:「国内・海外旅行の実態および旅行予約に関する意識調査」(CRITEO株式会社)
目次
旅行系オウンドメディアの成功事例として有名なのが、レジャー系サービスを手掛けるアソビュー社。本サイトでも、「中小企業のオウンドメディアが失敗する3つの理由」記事で紹介しました。アソビュー社は、オウンドメディアの立ち上げ当初は大きくつまづいたものの、その後改善を重ねた結果なんと月間200万PVを達成するまでに成長させたという成功事例です。
アソビュー社のメインビジネスは「日本最大の遊びのマーケットプレイス」というテーマの通り、全国各地のアクティビティをWebから予約や購入ができるサービス。ダイビングやサーフィンといったスポーツ系プログラムをはじめ、2017年10月現在で約17,000件のアクティビティが登録されています。(定価の60%オフで買えるものもあります)
アソビュー社では、オウンドメディアを2つ運営しています。「アソビューニュース」は各地のイベントなどの最新情報を発信するメディアで、タイムリーな情報でアクセス数を狙っています。
もうひとつのオウンドメディア「アソビュートリップ」はレジャー施設の楽しみ方など、詳細情報をブログスタイルで紹介しています。こちらはストックコンテンツとして、少しずつ継続してアクセスを増やす狙いがあります。
旅行の予約といえば宿泊や食事がメイン。ただし一般的なホテルやレストランの予約サイトは多くのサイトが既に存在し、新規参入は難しいのが現状です。アソビューは旅行系ですが一般的な宿泊や食事ではなく、非日常が体験できるアクティビティに特化しているのが大きな特徴です。SEOの視点で考えると、ビッグワードというよりはニッチなキーワードでユーザーを呼び込みやすいビジネスと言えます。
アソビュー社でもSEOを重視しており、キーワード選定やコンテンツ内にキーワードを含めることに注力したそうです。ただしそれだけで200万PVを達成したわけではありません。ユーザーのニーズを掘り起こしながらコンテンツを改修し、独自の取材も行って本当にユーザーが知りたい情報にフォーカスした結果、少しずつ効果がアップしていったそうです。
SNSなどWebマーケティングにも力を入れている大手旅行会社HISが手掛けるオウンドメディアが「旅ブロ」です。
旅ブロでは、世界中にあるHIS支店のスタッフが現地の情報をブログのように日々載せています。どの業界でもスタッフブログはコストがかからないこともあって開設する企業は多いのですが、情報の質がイマイチだったりコンテンツが少なかったりするケースも多いですよね。
ところがHISの旅ブロは、2007年にスタートしてなんと10年目のオウンドメディア。Googleにインデックスされているページ数も5万ページを超えています。ハワイやロンドンといった人気の高い旅行先だけではなく、コスタリカやモロッコなどさまざまな都市のリアルな情報が集まっています。
スタッフが自由に投稿しているように見えますが、例えば「シンガポールのトレッキングができるスポット」というように、他の観光情報サイトにあまり載っていないレア情報も豊富。単なるブログではなく、ユーザーが知りたい情報のポイントをしっかりおさえています。
旅ブロではエリア別コンテンツのほか、テーマごとのコンテンツも設けられています。「海外でスポーツ」「バリアフリー旅行」といったテーマを見ると、実はシニア層をターゲットにしていることがわかります。SNSでリーチしきれないターゲットをオウンドメディアでカバーするというHISの戦略が見えてきます。
全国で展開しているホテルチェーン「星野リゾート」。最近では経営不振に陥った旅館やリゾート施設を再生するビジネスも注目されています。
星野リゾートでは、企業サイト内に複数のオウンドメディアを設けています。スタッフブログ的存在の「みちくさガイド」、ほかにも一人旅や女子旅などテーマごとの特集コンテンツも多くあります。
これらのコンテンツは、特に景色など美しいビジュアルをメインに据えています。文字量やページの作りを見ると、いわゆるSEOというよりは星野リゾートのファン(もしくは今後ファンになってもらえそうなユーザー)に向けた情報発信ツールとして考えていることがわかります。
実は星野リゾートでは、上記のオウンドメディアとは別に訪日外国人観光客をターゲットにした英語版オウンドメディア「Hoshino Resort Magaginze」も運営しています。
星野リゾートは、2017年7月に訪日外国人向けメディア「MATCHA」と資本提携することを発表しました。星野リゾートの狙いは大きく分けて2つあります。1つめは「MATCHA」を通じて、星野リゾート関連コンテンツを海外へ発信すること。
2つめは多言語の旅行メディア運営経験のあるメディアと組むことで、自社のオウンドメディアの運営体制を強化できるということ。今後もインバウンドの増加を見込んで、オウンドメディアに力を入れていくスタンスが見えてきます。
インバウンドの増加に伴い、旅行業界で新たなトレンドとなりつつあるのが「民泊」。最近の民泊サービスでは、いわゆる観光名所を巡る旅行よりも地元体験ができることをウリにしているケースも多いようです。
そんな中、訪日外国人観光客に人気が高まっているのが、お寺での宿泊体験。お寺での宿泊を仲介する「お寺ステイ」では、サイト内にオウンドメディアを設けています。
「OTERA STAY BLOG」というタイトルではありますが、主な目的は広報。関連イベントの紹介やメディア出演情報などの情報がメインです。認知度の低いお寺ステイというサービスについて、今は情報を広く伝える段階ととらえていると考えらえます。
ただし広報目的と言っても、いわゆる企業サイトによくあるお知らせではなく、イベント内容を詳しくレポートする記事などやはり口コミ感も重視しているところがポイント。
実はお寺ステイの運営会社は、2016年6月に設立したばかりのスタートアップ企業。海外向けの情報発信など、今後のオウンドメディアを使ったプロモーション展開に注目したいところです。
旅行系オウンドメディアの4事例はそれぞれ異なる戦略はあるものの、いずれもスタッフ目線での口コミ情報を重視しているところが共通点。
確かにホテルやレストランなどを選ぶときに、下調べに口コミ情報をチェックするのはもはや常識とも言えます。ただし旅行系オウンドメディアのコンテンツは、一般ユーザーの口コミと差別化するために「信頼性の高い情報」「スタッフが取材したリアルな情報」といったところを特に意識しています。
また、口コミ情報をメインとしているため、旅行系オウンドメディアではECサイトほどコンバージョンへの導線が明確になっていないのも特徴。まずはコンテンツを通じてファンの増加させることに重点を置いている傾向が見られます。
民泊など新規参入も多く、今後も激しい競争が予想される旅行業界。今後も多言語化や動画の活用など、旅行系ならではの新しいオウンドメディア事例も増えそうです!
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