CASE - 事例紹介
オウンドメディアのSNS活用事例(Twitter編)
2017.07.21
戦略をもってオウンドメディアを運営すれば、見込客は自然に集まります。
大切なのは、正しいポジションの確立、そして最適なコンテンツの配信です。
TIPS - その他
「オウンドメディアとキュレーションメディアの違いは?」と聞かれて、すぐに回答できるWeb担当者の方はあまり多くないかもしれません。社内でオウンドメディアを立ち上げようとしたときに、様々な問題点が指摘されているキュレーションメディアと混同されてしまうケースも…あらためて2つの違いを整理して、社内に説明できるようにしておきたいところ。
そこで今回は、オウンドメディアとキュレーションメディアの違いをまとめました。さらにキュレーションメディアの問題点や、オウンドメディアとしてどう差別化していくべきかを整理。周囲のメンバーへ説明するときに、ぜひご活用ください!
目次
以前の記事「オウンドメディアとトリプルメディアの意味とは?」でご紹介した通り、オウンドメディアの「オウンド」とは自社で所有する(Owned)という意味。コーポレートサイトやブログも本来はオウンドメディアに含まれます。ただし最近では「自社で設けるユーザー向け情報サイト」をオウンドメディアと呼ぶケースが増えています。
一方キュレーションメディアの「キュレーション」(Curation)はすでにある情報を収集・整理するという意味になります。コトバンクでは以下のように説明されています。
IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報をつなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有すること。語源は、博物館や図書館の管理者や館長を意味する「Curator(キュレーター)」が、館内の展示物を整理して見やすくするところからきている。
出典:「キュレーションとは」(コトバンク)
世の中の情報が多くなりすぎてチェックできないから、欲しい情報だけをまとめてサクサク読みたい!というニーズに対応したのがキュレーションメディアです。
キュレーションメディアは、情報の集め方によって大きく2種類に分かれます。
一般ユーザーが「キュレーター」となり、自分の好みで収集した情報を発信。自分の感想などを情報にプラスするケースもあります。ユーザーによって切り口が違うのが特徴です。
プログラムが自動的に様々なWebサイトから情報を収集してまとめるタイプ。AnntenaやSmartnewsなどニュース系のキュレーションメディアに多く見られます。実は「Yahoo!ニュース」も、様々な他のメディアの情報を集約しているメディア。キュレーションメディアの1種とも言えます。
ユーザーに役立つ情報を多く載せていくメディアという点では似ているので、混同されることもしばしば。でもオウンドメディアとキュレーションメディアには大きな違いがあります。
外部ライターや提携先にコンテンツを依頼することもありますが、オウンドメディアでは基本的に自社のオリジナルコンテンツとして情報を発信します。コンテンツの制作にはそれなりのコストと時間がかかりますが、その分ユーザーにファンになってもらう、コンバージョンなど次の施策につなげるという狙いがあるからです。
一方キュレーションメディアでは、他社が制作したコンテンツを集約して載せていくスタイル。オリジナルのコンテンツを制作することは基本的にありません。
例えば「NAVERまとめ」では、一般ユーザーがさまざまなWebサイトからの情報を集約して「まとめ記事」としてアップしていきますよね。オリジナルコンテンツを制作するコストも時間もかけずに、ページを大量生産することができます。
ただしユーザー投稿型キュレーションメディアの場合誰でもまとめ記事を作れてしまうため、クオリティが低いことも…(テーマに詳しい人がまとめ記事を作るのであれば問題ないのですが)。また一般ユーザーに投稿させていると言いながら、実は運営企業が外部ライターに委託していたというケースもあるようです。(※もちろん、すべてのキュレーションメディアが問題のある手法を行っているわけではありません)
オウンドメディアの場合はアクセス数も重要ですが、その目的は企業の認知度向上や売上アップなど、オウンドメディアを通じて見込み客にリーチすることがメインです。
一方キュレーションメディアのほとんどが、広告収入を目指したビジネスモデル。記事を量産したりアプリのダウンロード数をとことん増やしたりするのは、PVやUUを稼いで広告収入につなげたい!という目的に集中しているからです。
オウンドメディアの中には広告を載せているWebサイトもありますが、メインの目的ではないことがほとんどです。
似ているように見えて、根本的なコンテンツと目的が大きく違うオウンドメディアとキュレーションメディア。こうしてみるとキュレーションメディアの方がコンテンツを作る手間もかからず、ページを量産できてアクセス数を簡単に増やせるようにも見えます…。
とはいえオウンドメディアを「キュレーションメディアみたいに他社コンテンツを利用しよう!」という発想は、大きなリスクがあります。
2016年に大きく報道されたDeNA社のキュレーションメディア問題。ご存知の方も多いと思います。2017年5月の時点でもこの問題はまだ決着はついておらず、「MERY」などDeNA社のキュレーションメディアはすべての記事が非公開となっています。
オウンドメディアの担当者として、キュレーションメディア問題でチェックしておきたいのは以下の2点です。
医療系キュレーションメディアでは、記事内容について医師など専門家の監修が行われていなかったようです。専門知識のないライターが「肩こりは幽霊のせいかも?」というような根拠のない情報を載せてしまったことが問題となりました。
まとめ記事にて、個人ブログなど他のサイトのテキスト情報・画像などを無断で引用したことも大きな問題となりました。(著作権法という法律では引用をする場合、引用元を明記するなどいくつかの条件があります)
2つの問題とも、時間とコストを抑えてページを量産したために発生した問題です。つまり「コンテンツのボリュームを増やしSEOに強いサイトにする」ということを重視しすぎたことが要因ではないでしょうか。
アクセス数だけを追いかけてしまうと、問題のある手法になってしまうという教訓とも言えます。ちなみにGoogleもこうした状況を踏まえて、アルゴリズムを2017年3月に見直したと言われています。
オウンドメディアとキュレーションメディアの違いは、ざっくりですが「オリジナルコンテンツを作る」「広告収入以外の目的を持つ」という2つのポイントに集約できます。これなら社内にも周知させやすいと思います。
なおキュレーションメディアの問題によって、あらためてオリジナルコンテンツの重要性が高まりました。Googleでも今後さらに情報の正確性、信頼性を重視する傾向が強まるはずです。
ちなみにGoogleでは2017年4月にもアルゴリズムのアップデートが実施されました。こちらはフェイクニュースへの対応と言われています。不正確な情報を載せてしまうと影響を受ける可能性もあるのでチェックは入念に。
運用後もキュレーションメディアとの違いを明確にしておくために、オウンドメディアの運用ガイドラインを設けておきたいところ。キュレーションメディアで問題となった手法はNG行為!!とガイドラインに明記しておけば、運用メンバーが入れ替わっても引き継げます。
もちろんキュレーションメディアのすべての手法がNGではありません。アプリを活用してユーザーを増やしていく集客方法や、ユーザーにもコンテンツ作りに参加してもらう方法など、オウンドメディアにとって参考になる点があるのも事実。
オウンドメディアとキュレーションメディアの違いを明確にした上で、取り入れるべき点、そうでない点を見極めていきましょう!
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