CASE - 事例紹介
オウンドメディアのSNS活用事例(Twitter編)
2017.07.21
戦略をもってオウンドメディアを運営すれば、見込客は自然に集まります。
大切なのは、正しいポジションの確立、そして最適なコンテンツの配信です。
CASE - 事例紹介
オウンドメディアの集客に、SNSを利用するケースも増えています。以前ご紹介した「トリプルメディア 」の考え方では、オウンドメディアとあわせて「ペイドメディア」(費用をかけて行う広告)と「アーンドメディア」(信用をもたらすためのSNSなど)を活用してオウンドメディアの集客につなげます。
特にSNSは、広告と比べて少ないコストで集客できるメリットがありますよね。予算が限られている企業にとっては強い味方です。
とはいえ、実際には「SNSで更新情報を流しているだけで、うまく使えていない」「なかなかフォロワーが集まらないので効果が出ない」という悩みを担当者の方から聞く機会も多いのが実状です。
そこで今回は、SNSをうまく活用してオウンドメディアの集客に成功した企業の事例をご紹介します。特に中小企業の方には役立つポイントが多くありますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
SNS の中でも特にFacebookをうまくオウンドメディアと連動している企業として有名なのが、革製品を扱う「土屋鞄製作所」です。FacebookやInstagramとったSNSによって、ブランディングやファン醸成に成功しています。
1965年創業という老舗の土屋鞄製作所。ECサイトもありますが、店舗数は国内11か所とそれほど規模が大きい企業ではありません。ところが土屋鞄制作所のFacebookページには、2017年3月時点でなんと約28万ものフォロワーがいます。
ここまで多くの方に支持されている理由について、3つのポイントにまとめました。
土屋鞄製作所のFacebookを見ると、まず全体的に画像のクオリティがとても高いのが印象的です。一般的に製品画像についてはきちんと撮影するものの、他の投稿になると画像のクオリティは意識しないケースが多いですよね。
一つ一つの画像にコストをかけてクオリティを保持するのが、土屋鞄製作所のこだわり。他社との差別化を図っているポイントです。SNSと同様オウンドメディアでもこのスタンスを保っており、SNSとオウンドメディアの統一感もとれています。
マーケティングの視点で考えると、つい商品情報や店舗情報がメインになりがちです。一方土屋鞄製作所のFacebook投稿内容を見ると、こうした情報だけではなく季節感あふれる投稿や、職人紹介など製品へのこだわりについての投稿も多く見られます。
一方的にならないようバランスを考えながらコツコツ更新を続けているという点も、ファンの獲得につながっていると考えらえます。
土屋鞄製作所ではFacebookで寄せられたコメントに対して、できるかぎり返信をしているようです。メッセージに対しては「返信率100% 通常1日以内に返信」という記載もあり、ユーザーとのコミュニケーションを重視した体制を敷いていることがわかります。
自社ホームページ上にてSNSのコミュニティ・ガイドラインを公開しているというのも、企業としての信頼度を高めているのではないでしょうか。
日本では珍しい眼鏡のECサイト「Oh My Glass TOKYO」。実店舗もありますが、特にECサイトの「試着サービス」が話題を集めています。5日間は送料無料・返品無料となっており、いわばECでも試着ができるサービスを実施しています。
ECサイトとあわせて、眼鏡に関する様々な情報を発信するオウンドメディア「OMG PRESS メガネスタイルニュース」を運営しています。SNSもTwitterとFacebookを利用しており、特にFacebookでは約20,000のいいね!を集めています。
オウンドメディア「OMG PRESS」の記事タイトルを見ると、戦略が見えてきます。
眼鏡に関するハウツー記事が多いですよね。SNSでのシェアされやすさを意識していることがうかがえます。さらにこのオウンドメディアでは、「JINS」や「眼鏡市場」など競合他社の情報も発信している点がユニークです。「ユーザーに信用してもらう」ことを重視していることがわかります。
Facebookの投稿内容は土屋鞄製作所のケースに近く、こうしたオウンドメディアの情報と店舗情報、製品情報をうまくバランスよく発信しています。
「Oh My Glass TOKYO」では、さらにSNS上でフォロワーを増やすためのキャンペーンも実施しています。例えば2017年3月にはinstagramアカウント公開にあわせたキャンペーンを行っています。フォローした方の中から抽選でメガネピンバッジをプレゼントするという内容です。
他にも「MADE IN JAPAN」に関連する写真の投稿キャンペーンを2017年3月に開催。このキャンペーンでは、入賞者の方に職人手作りのオリジナルメガネをプレゼントするそうです。
あなたの自慢の「MADE IN JAPAN」写真投稿キャンペーン
投稿を続けることも大切ですが、フォロワーを増やすためにはこうした企画も検討したいところです。特に「Oh My Glass TOKYO」のSNSキャンペーンは、共感してファンになってもらえる方に向けたプレゼントになっているところがポイント。応募数をとにかく増やすという目的ではなく、ファンづくりを意識してキャンペーンを企画している点は、参考になります。
中古書籍の買取・販売を行うブックオフオンラインでは、「BOOK OFF Online コラム」というオウンドメディアを運営しています。立ち上げ当初はライター経験のない社内担当者が、試行錯誤しながら記事をアップしていったそうです。
その後連動するSNSの活用も行い、今ではTwitterフォロワーが約25,000、Facebookフォロワーが約15,000というところまでファンを増やしています。
オウンドメディアでは、「本が濡れた時の対処法」「本の収納術」など、本好きの方に向けたハウツー記事が多めになっています。「Oh My Glass TOKYO」と同様に、SNSでの拡散されやすさを意識していることがわかります。
ブックオフオンラインのSNSでは、FacebookとTwitterをうまく使い分けている点が特徴です。Facebookはオウンドメディアの記事に関する投稿が多く、ファンの醸成がメイン。一方Twitterではこうした記事の紹介とあわせて、買取キャンペーンやクーポンの告知など販促関連の投稿も多くなっています。SNSの特性やユーザーを分析した上で投稿内容を変えている点が参考になります。
ご紹介した成功事例をまとめると、3つの共通点があることがわかります。
SNSでの集客を考えると、つい大きくバズる記事を狙いがちですよね。ところがご紹介した事例はいずれも、地道なSNS運用がベースとなっています。短期的なアクセス数のアップ・売上アップを目指すより、長期的な視点でまずはファンを増やすことに注力するのが成功の秘訣のようです。
ただしSNSの運用はそれなりに手間がかかります。中途半端に手を出すよりも、まずオウンドメディアの体制を確立させておきたいところです。成功事例で紹介した3社のオウンドメディアはいずれも記事のクオリティが高いだけではなく、頻繁にオウンドメディアの記事を更新しています。
オウンドメディアの運用が軌道に乗ってきたら、SNSを使ったキャンペーンなどの企画も取り入れてファンを増やしていきましょう。ファンとなるユーザーが増えれば増えるほど、オウンドメディアの価値もアップします!
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