CASE - 事例紹介
オウンドメディアのSNS活用事例(Twitter編)
2017.07.21
戦略をもってオウンドメディアを運営すれば、見込客は自然に集まります。
大切なのは、正しいポジションの確立、そして最適なコンテンツの配信です。
CASE - 事例紹介
新型コロナウイルスの影響で、現在スポーツ業界も大きな影響を受けています。実店舗や生産拠点を一時的にクローズしたため、売上が大きくダウンしたスポーツブランドも多いようです。
その一方で、ネットを活用してユーザーとのコミュニケーションを維持しようと努めているスポーツブランドも見受けられます。こうした状況の中、ユーザーへの情報発信の場として注目されているのがオウンドメディア。例えば国内のスポーツブランドのデサントでは、2020年6月に新しくオウンドメディアをローンチしました。
そこでスポーツブランド系オウンドメディアの4つの事例をもとに、なぜ今オウンドメディアに注力しているかについて探ってみました!
目次
デサントが2020年6月に新しく立ち上げたオウンドメディアが「ウルマグ」(https://www.descente.co.jp/media/)です。まだスタートしたばかりのためコンテンツはまだ少なく、自社商品の紹介がメインとなっています。
ただしデサントのプレスリリース(※)によれば、このオウンドメディアを通じて既存ユーザーに限らず、幅広いユーザーとのコミュニケーションを図っていきたいとのこと。コンテンツも自社商品紹介記事だけではなく、契約アスリートのインタビュー記事なども想定しているそうです。
※参考:https://www.descente.co.jp/jp/press_releases/post-44521.html
自社商品の紹介がメインだと、やはり読者は既存ユーザーに限られてきます。あえて他社商品も載せることで、新規ユーザーの獲得に成功しているオウンドメディアもありますよね。
また他のスポーツブランド系オウンドメディアと同じく、プロ野球選手など人気アスリートを特集した記事が増えれば、ブランドを知らない新規ユーザーにもっとアプローチできるはず。
これからデサントがオウンドメディアにどんなコンテンツを上げていくのか、気になるところです。
福岡県の老舗シューズメーカーであるムーンスターも、最近オウンドメディアに力を入れているスポーツブランドのひとつです。2020年6月に「インユース(In use)」(https://inuse.jp/)というオウンドメディアを新たにスタートさせました。
このオウンドメディアのコンセプトは「作り手と使い手がつながる」というもの。現状のコンテンツは作り手のモノづくりに対する思いがメインですが、今後は、愛用者の声を載せるなどユーザーとのコミュニケーションもオウンドメディアを中心に取り組んでいくそうです。
オウンドメディアとしての雰囲気やコンセプトは、無印良品に近い感じもしますね。スポーツブランドとして他社と差別化を図っていくには、こうしたものづくりなどブランドメッセージを直接伝えるのが効果的でしょう。
なお、ムーンスターではオウンドメディアの立ち上げと同じタイミングで、福岡県に旗艦店「ALSO MOONSTAR」をオープンさせています。今後は、オウンドメディアで情報発信をしながら店舗やECに誘導する「オムニチャネル」戦略も視野に入れているのではないでしょうか。
国内大手アシックスが手掛ける「オニツカタイガー」は、日本国内だけではなく海外でも人気のスポーツブランドです。このブランドでは、以前からオウンドメディア「オニツカタイガーマガジン」(https://www.onitsukatigermagazine.com/)を運営しています。
このオウンドメディアでは自社製品や関する情報もありますが、著名人のインタビューや街のスナップなどファッション雑誌に近いコンテンツが多いのが特徴。オウンドメディアをブランディングに活用している姿勢がよくわかります。
また他のスポーツブランドと同じく、オウンドメディアからECへの誘導も図っています。オニツカタイガーの場合、公式オンラインストアもオウンドメディアの「onitsukatigermagazine.com」ドメインの配下にあるんですよね。
一応「https://theonitsuka.com/」というブランド公式サイトは別に設けられています。ただオウンドメディアとオンラインストアを一体化させて、ここをユーザーとコミュニケーションするメインプラットフォームとして考えているのではないでしょうか。
THE NORTH FACEなどのスポーツブランドを手掛けるゴールドウィンでは、2015年からオウンドメディア「SPORTS FIRST MAG」(http://mag.sportsfirst.jp/)を運営しています。
このオウンドメディア、開設から約5年経過していることもあってかなりコンテンツ量が多いんですよね。自社製品に関する情報もありますが、むしろスポーツ全般のハウツーや著名人のインタビューなどが中心となっています。
既存ユーザーだけではなく、オウンドメディアを使って新規ユーザーを取り込みたいという姿勢がうかがえますよね。
まさしく王道と言えるオウンドメディア事例ではないかと思います。特にアウトドアやスポーツに関するハウツーコンテンツでは、ショップスタッフなど社内スタッフをうまく活用しているのが大きな特徴。これもコンテンツが多い理由のひとつではないでしょうか。
なお他のスポーツブランドのオウンドメディアと違い、ゴールドウィンの場合ECとの連携はそれほど意識されていないように見えます。ただ2020年6月にゴールドウィンでは公式オンラインストアを大きくリニューアルさせました。これをきっかけに今後オウンドメディアとの連携を図るという可能性もありそうですね。
スポーツブランドのオウンドメディアのコンテンツを見ると、「インタビュー記事が多め」というところが共通しているように見えます。ブランドメッセージを伝えるには、アスリートや一般の方、社内スタッフなど愛用者の声を載せる手法が効果的、というわけです。
スポーツブランドの場合、こうしたインタビュー記事を集めていくだけでもオウンドメディアのコンテンツを増やしていくことができます。つまりオウンドメディアとして運用しやすいのではないでしょうか。
デサントのオウンドメディアに関するリリースを見ると、その目的のひとつが「DTCの強化」と説明されています。
DTCは「Direct to Customer」の略で、メーカーが製造だけではなく独自のチャネルを使って直接ユーザーに販売も行うというビジネスモデルのこと(D2Cと記載することもあります)。
DTCは直接ユーザーとつながることで、フィードバックも得やすくなるなどのメリットがあります。最近はECを使って、ユーザーへ直接販売を始めるスポーツブランドもたくさんありますよね。
製造から販売まで自社で行うDTCビジネスでは、新規ユーザーの獲得や既存ユーザーとのコミュニケーションについてもメーカー自身で取り組む必要があります。これがオウンドメディアに力を入れるスポーツブランドが増えている理由のひとつだと考えられます。
メーカーとしての品質へのこだわり、ものづくりに対する思いなどを直接ユーザーへ伝えられるのは、オウンドメディアの強みですよね。
またオウンドメディア向けに制作したコンテンツを、モバイルアプリなど他の自社媒体にも活用できるというメリットがあります。
新型コロナウイルス感染症の影響で、今後も実店舗よりECに注力するスポーツブランドが増えることも予想されます。つまり、ますますDTCへのシフトが加速していく中で、オウンドメディアの重要性もますます高まってくるのではないでしょうか?
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