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戦略をもってオウンドメディアを運営すれば、見込客は自然に集まります。
大切なのは、正しいポジションの確立、そして最適なコンテンツの配信です。

SEO - SEO対策

Update 2019.10.18

コスメ・化粧品オウンドメディアの成功事例が少ない理由

コスメや化粧品メーカーのオウンドメディアといえば、ザ・プロアクティブカンパニーが運営する「ニキペディア」が有名ですよね。コンテンツマーケティングが注目された数年前には、コスメ系オウンドメディアの成功事例として数多くのメディアに登場していました。

ところでニキペディア以降、コスメ・化粧品系のオウンドメディアでうまくいっている成功事例の話、あまり聞かなくないですか?そもそも、国内メーカーでオウンドメディアを運営しているところが少ないように感じます。大手の化粧品メーカーを見ると「ワタシプラス」というオウンドメディアを運営する資生堂ぐらいでしょうか。

なぜコスメ系オウンドメディアの事例が少ないのか、気になるところ。そこで「ニキペディア」「ワタシプラス」というコスメブランド・メーカーのオウンドメディアの事例と、さらにメディア企業が運営する「スキンケア大学」の事例についてリサーチしてみました。

オウンドメディア成功事例として知られる「ニキペディア」は2018年で更新停止

冒頭でも紹介した、オウンドメディアの中では超有名な成功事例のひとつ「ニキペディア」。SEOをメインに見込み客の発掘に成功したオウンドメディア事例として、注目を集めていましたよね。

SEOで成功したニキペディア

ニキペディアは、特にSEOの施策として「ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツ作り」の評価が高かったと思います。検索順位が低くなったコンテンツはリライトをするなど、現在のオウンドメディアが実践していることを、一早く取り組んでいたような印象もありました。

オウンドメディアにしては珍しく、自社製品だけではなく他社製品を紹介していた点も大きな特徴でした。これが広告との差別化につながり、SEOにおいてもプラスに働いたと思います。

オウンドメディアからSNSへプラットフォームをシフトしている?

しかしながら現在のニキペディアを見てみると…最も新しい記事で2018年8月。それ以降は更新が止まっているように見えます。またニキビ関連のワードで検索しても、あまりニキペディアのページは上位に来ないという状況です(「ニキビ 食べ物」で検索してみたところ、1ページ目にはニキペディアのページは表示されませんでした)。

一方でコスメブランド「プロアクティブ」の公式サイトを見ると、こちらにニキビケア関連のコンテンツが掲載されています。ニキペディアのコンテンツをリメイクしたものかもしれません。

プロアクティブではTwitterなどSNSの公式アカウントでの活動が増えているようで、Twitterでは公式サイトにあるニキビケアコンテンツの誘導を図っているように見えます。

戦略を変えてきていることがわかりますね。プロアクティブのようなコスメのターゲットは、10~20代の女性。この属性の人たちはネットで調べものをするとき、もはやGoogle検索よりSNSがメインになりつつあります。

つまりこうしたユーザーの行動パターンの変化にあわせて、SEOでオウンドメディアに呼ぶかたちから、SNS経由で公式サイトに呼ぶかたちへ方向転換をしたのではないでしょうか。

これは他のコスメブランドを見ても同じ傾向が見られます。自社サイトにコンテンツを多く載せるというより、SNSをメインにプロモーションをしている感じがします。

資生堂のオウンドメディア「ワタシプラス」の狙いとは?

大手コスメメーカーの中で、オウンドメディアに取り組んでいるのが資生堂。2012年に「ワタシプラス」というオウンドメディアを立ち上げました。

このオウンドメディアは美容に関するコンテンツはあるものの、ECや会員のコミュニティ機能のほうがメインになっている印象です。

資生堂の狙いはビジネスモデルの変革

そもそも資生堂としては、「ワタシプラス」をコンテンツマーケティングのためという狙いはあまりないようです。ECを軸に、ビジネスモデルをデジタル時代に合わせて変えたいという狙いが資生堂にはあったようですね。

「ワタシプラス」では会員制をとっていて、約400万人の会員がいるといわれています。ECとともに会員コミュニティにも力を入れているのは、おそらく既存ユーザーとのつながりを深めたいということが大きいでしょう。さらに会員の行動データを集めたいという狙いもあるのでは、と思います。

美容系コンテンツは一般人が発信する時代

資生堂も一応美容系コンテンツはあるものの、それほど注力しているようには見えません。
実際のところ、美容系のハウツー記事をオウンドメディアに載せてもキラーコンテンツになりにくいのではないかと思います。

というのも、こうした美容系コンテンツは一般人が発信する時代。キュレーションメディアやSNSで有名人ではない一般の人がどんどんコンテンツを発信しています。YouTubeでメイク法を動画で発信する人も多いですよね。口コミ情報もSNSが今やメインになっています。

こうした「一般人が美容系コンテンツを多く発信している」ということも、コスメ系オウンドメディアがあまり増えない要因だと個人的には思っています。

スキンケア情報を集めたオウンドメディア「スキンケア大学」が直面する課題とは

ここでメーカー系オウンドメディアではなく、メディア企業が運営するオウンドメディアもチェックしてみましょう。リッチメディア社が運営する「スキンケア大学」は、美容に関する幅広い情報が掲載されているオウンドメディアとしてよく知られています。

スキンケアは医療に関連するテーマのため、記事の信ぴょう性が求められる

スキンケア大学は「スキンケア」がテーマということもあり、皮膚病など医療系記事も多くなっています。そこでこのオウンドメディアでは、医師や管理栄養士など専門家が監修した信頼性の高い情報ということを大きくうたっています。

以前キュレーションメディアWELQの問題が大きく取り上げられたのをきっかけに、こうした医療や健康に関するコンテンツの信ぴょう性は重要になっています。つまりコスメ系オウンドメディアにコンテンツを載せるには、ジャンルによっては医師など専門家の監修が必要になるということ。

こうなると、一般的なオウンドメディアのように記事を量産するのが難しくなります。この「コンテンツ作りにコストと手間がかかる」という点も、コスメ・化粧品系オウンドメディアが抱える課題ではないかと思います。

ちなみにスキンケア大学と同じ会社が運営していた「ヘルスケア大学」は、内容の信ぴょう性に問題があるという声もあり、2019年9月でクローズとなりました。こうしたリスクもあるわけです。

まとめ

コスメ系オウンドメディアの3事例を見ると、コスメ・化粧品系ならではの課題があることがわかります。

1) ターゲットである若い女性がネットで検索する行動パターンが変わってきた
2) 一般ユーザーが動画などで発信するコスメ・美容系コンテンツがトレンド
3) スキンケア分野のコンテンツになると、医師など専門家の監修が必要

これらが現在コスメ系オウンドメディアにて、成功事例がなかなか増えない要因では?と思うのです(あくまで個人的な意見ですけど)。

こうした事情もあってコスメ系オウンドメディアよりも、SNSをメインプラットフォームとしているコスメブランドも多いみたいですね。若い女性にアプローチしやすいですし、インフルエンサーとして影響力がある人の力を借りられるのもSNSのメリット。これは日本のコスメブランドだけではなく、海外でも同じ傾向のようです。

とはいえ、新しいコスメブランドを立ち上げたばかりで知名度を上げたい、新規顧客にアプローチしたい、といったケースではオウンドメディアも有効なケースがあるかもしれません。うまく使いどころを考え、SNSなど他の手法と組み合わせることも想定してみてはいかがでしょうか?