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オウンドメディアはNPOの最強ツール?広報や収益化に成功した4事例

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オウンドメディアはNPOの最強ツール?広報活動や収益化に成功した4事例

内閣府によれば日本国内にあるNPO法人の認証数はここ10年で約1.4倍に増加。今や5万以上の認定NPOがあると言われています。(※)最近では、Weサイトやソーシャルメディアを広報活動に活用しているNPOも増えているようです。

こうしたNPOの中には、自らオウンドメディアを立ち上げ運営するところも出てきています。知名度アップにつなげたり、支援者や寄付を集めたりするという目的がメインですが、オウンドメディアをビジネスとして収益化につなげているNPOも!

実はオウンドメディアはNPO法人と親和性が高く、運営しやすいという一面もあります。そこですでにオウンドメディアの実績を上げているNPO法人の4事例を紹介。NPO法人がオウンドメディアを使いこなすためのポイントを検証します!

「NPO統計情報」(内閣府NPOホームページ)

ライター数は80人以上!1年半で2000記事をアップしたオウンドメディア事例「トジョウエンジン」

「トジョウエンジン」は、途上国の教育問題に取り組む特例認定NPO法人「e-Education」が運営するオウンドメディア。トジョウエンジンは海外に関心の強い若年層をターゲットに、途上国の新しいイメージを発信するという目的で、2013年1月に公開されました。公開から1年半で、2,000記事を更新しています。

実はトジョウエンジンのライター紹介ページには、2018年9月時点でなんと80名近くのライターが紹介されています。こうしたライターのネットワークが、短期間に2000もの記事をアップできた理由ではないでしょうか。

トジョウエンジンのようなNPO法人のオウンドメディアでは、ボランティアや学生インターンなど、外部の支援者ネットワークを持っていることが大きな強みとなります。制作コストをおさえつつ、多くの記事をアップできる体制作りができるというわけです。またコンテンツによって賛同してくれる若者が増えれば、さらにライターの数が増えるというサイクルが確立できます。

なお、トジョウエンジンでは広告ビジネスも手掛けており、NPOの情報発信と合わせてオウンドメディアのマネタイズも進めています。

・トジョウエンジン http://eedu.jp/blog/

企業や個人からの収益化に成功したNPOオウンドメディア事例「greenz.jp」

NPO法人の運営するオウンドメディアの代名詞とも言えるのが、greenz.jp(運営はNPO法人グリーンズ)。2006年4月に立ち上がった老舗のオウンドメディア。「ほしい未来を、つくろう」というコンセプトのもと、ソーシャルビジネスに関するさまざまな情報を発信しています。

ただしgreenz.jpはオウンドメディアにとどまらず、イベント企画などコミュニティ活動にも力を入れています。これが実はオウンドメディアの収益化に大きくつながっているポイント。

greenz.jpでの収益の85%が、企業スポンサーによるもの。企業からオウンドメディアで収益を上げる方法と言えば、やはり広告が主流ですよね。ところがgreenz.jpではいわゆる記事広告やバナー広告という手法ではなく、コンテンツのスポンサーになってもらうというスタイルをとっています。広告との違いは、企業はパートナーという位置づけで一緒にコンテンツの企画を作るという点だそうです。

さらにgreenz.jpでは、個人からの収益もあります。「greenz people」という会員制度を設け、会員からは毎月1,000円以上の寄付を集めるという手法(金額は会員になる人が指定できます)会員になると、会員限定Facebookグループに参加できたり、オフ会に参加できたりという特典があります。

また会員の活動をgreenz.jp 側も取材やイベント紹介など、オウンドメディアを使ってサポートするという体制をとっています。こうした有料会員制度を設けているオウンドメディア事例は国内では珍しいのも事実。オウンドメディア単体ではなく、企業やユーザ―との広いコミュニティをすでに作り上げているgreenz.jpだからこそできるケースと言えそうです。

・greenz.jp https://greenz.jp/

外部業者のサポートを受けてオウンドメディアを立ち上げた事例「2枚目の名刺 Webマガジン」

ビジネスマンが本業以外に社会でスキルや経験を生かす「パラレルワーク」を支援するNPO法人二枚目の名刺。副業を解禁する企業が増える中、注目を集めるNPO法人の一つです。このNPO法人が2016年から運営しているオウンドメディアが「2枚目の名刺 Webマガジン」です。

NPO活動紹介コンテンツとして、主催するイベントのレポートなどを掲載しているほか、副業など新しい働き方に関するハウツー系コンテンツ、パラレルワークを実践している人のインタビュー系コンテンツという3つのコンテンツがメインとなっています。

NPO法人のオウンドメディアでは、どうしても運営側(編集部)が発信したいコンテンツに偏ってしまいがちです。でも2枚目の名刺のオウンドメディアでは、インタビューやハウツーなど読まれやすいコンテンツをバランスよく載せていくことで集客につなげていると思われます。2枚目の名刺の知名度アップに大きく貢献しているのではないでしょうか。

またNPO法人は予算の都合上、オウンドメディアなどの運営も社内でまかなうケースがほとんど。ところが2枚目の名刺では、オウンドメディア実績のある外部企業のサポートを受けており、これも成功のポイントかもしれません。

社内運用にこだわり中途半端な運営になってしまうよりも、専門の外部企業に頼ることで効果を上げた事例と言えます。もちろんどちらがベストかは、状況により異なりますが…それなりの規模でオウンドメディアを立ち上げる場合、開発や制作だけではなく全体的に外部委託することも検討したいところ。

・2枚目の名刺 Webマガジン http://magazine.nimaime.com/

地域系オウンドメディア立ち上げ経験をもとに講座も実施した事例「森ノオト」

森ノオトは横浜市・青葉区の環境活動に関するオウンドメディア。もともとは地元のミニコミ誌からスタートした森ノオトですが、その後ワークショップなど活動の幅を広げ2013年にNPO法人化。現在は地域に特化したNPOオウンドメディアとしてWebサイト「森ノオト」を運営しています。

森ノオトでは、オウンドメディアの運営とともに地元に根差したオウンドメディアの構築・運営経験を生かした研修事業に力を入れているのが特徴。地域メディアの運営ノウハウを持つ強みを生かし、地域で活動する団体向けの「発信力講座」や、地元の情報を発信する人を育てる「ローカルライター養成講座」などを開催しています。オウンドメディア構築・運営経験が資産となり、収益化につながった事例として参考になるのではないでしょうか。

あわせて森ノオトでは、ネットワーク・コミュニティ事業にも取り組んでいます。2017年には神奈川県の助成を受け「かながわローカルメディアミーティング」というイベントを実施しました。こうしたイベントを通じて、ローカルメディアに関わる人々を集めコミュニティを形成する取り組みを進めています。greenz.jpと同様、NPO法人ならではのコミュニティを広げやすいという強みを生かした戦略と言えます。

・森ノオト http://morinooto.jp/

まとめ

NPOのオウンドメディア事例を見ると、それぞれ戦略は違うものの共通しているポイントがあることがわかります。

いずれも「支援者やボランティアなど人のネットワークが広がりやすい」というNPO法人ならではの強みをうまく生かしているという点。NPO法人は予算や人的リソースが限られており、オウンドメディアの運営も規模が小さくなりがちというイメージがあります。でも今回紹介した4事例を見るとむしろ企業や個人などのネットワークを広げることで、オウンドメディアの活性化につなげていることがわかります。これは一般企業のオウンドメディアにはあまり見られない特徴です。

NPO法人にとってオウンドメディアは、知名度アップや支援ネットワーク拡大につながる効果も大きいですが、それだけではありません。新しいビジネスや収益アップにもつながる強力なツールと言えます!